05/01/21
全教青年部は、ここ数年間、毎年平和の旅をおこなっています。今年度は韓国。2004年12月26日〜30日、全国から45名が参加しました。
いま、日本は空前の韓国ブームです。韓国でも日本文化の開放が進み、日韓関係は新たな友好の段階へと確実にすすんでいます。しかし、その一方で、教科書問題や靖国問題などに加え、日の丸・君が代強制の動きが、韓国の人々の不信と不安を招いています。こんな時だからこそ、本物の友好関係を築く交流が必要です。
今回の韓国平和の旅では、実際に多くの記念館や資料館、在韓米軍基地などを訪問し、話を伺う機会を多く設け、植民地支配の加害の歴史や在韓米軍基地の現状とたたかいについて学び、考えることができました。また、韓国の教職員組合の方ともお会いし、両国の教育事情について懇談しました。参加者のみなさんがそれぞれ多彩な計画をくみ、韓国の人々や文化とふれあい、たいへん充実したものとなりました。
参加者のみなさんの記録をもとに、一部ですが様子を紹介します。
【植民地支配の歴史を知る―西大門刑務所跡、安重根義士記念館、独立記念館、ナヌムの家―】
初日、景福宮にある「明成皇后遭難之地」の碑を見学したあと、西大門刑務所跡へ。きびしく残酷な拷問と監獄生活の様子がリアルに再現されていて、非常に心が痛く、悲しい気持ちになりました。参加者は「こんなひどい拷問が行われていたなんて…。非常にショックだった」「子どもたちにどう伝えていったらよいだろうか…」などと感想を漏らしていました。
次に訪れたのは、安重根義士記念館。ここには安重根が監獄で直接書いた文章や遺品の数々が展示され、保管されています。日本ではほとんど名は知られておらず、また知られていたとしても「伊藤博文を暗殺した犯罪者」と伝えられていますが、韓国では、抗日運動の指導者であり、知識人として知られています。
なぜ、このような施設を設置しなければならなかったのか。1995年、西大門刑務所歴史館が公開された年には、新しい歴史教科書の問題で日本を騒がせている時期でもありました。法律がなくても、刑務所に入れられ、罪のない人間が処罰され、殺されていった人間たちがいたということを打ち消そうとしている国、それが今の日本。日韓が本当の意味での信頼関係で結ばれるためにも、歴史を正しく知り、伝えていく大切さを感じました。
3日目、Bコース参加者は、天安(チョナン)にある独立記念館へ。広大な敷地に7つの展示館を持つこの記念館は、1980年代にアジアへの「侵略」を「進出」と書き換えた日本の教科書が検定合格したことをきっかけに建てられました。
今回訪れてみて、4年前に来たときとの違いに2つ気がつきました。ひとつは、拷問の様子を再現した展示のところにあった掲示。「ここに展示されている内容は、文献の考証と関係者の証言など、歴史的な真実に立脚して制作されました。過去の不幸な歴史の加害者を許すことはできますが、決して忘れてはならないことです。日帝の強占期の歴史を展示することは過去の苦痛と、その対象を記憶しようというのではなく、共に発展的な未来をめざそうという意志の表れなのです」。日本での「つくる会」などの動きに対する反論とともに、未来を志向する姿勢を明白にしているように思いました。
ふたつめは展示館の構成。7つの展示館のうち、かつては第6展示館が臨時
政府館、第7展示館が大韓民国館となっていて、この第7展示館は朝鮮戦争から戦後の復興などを扱い、大韓民国の正当性を強調するような内容でした。現在は、第6展示館が社会・文化運動館、第7展示館が大韓民国臨時政府館となり、平和的な南北統一への道をすすもうとする意志が感じられました。
その後、元日本軍「慰安婦」とされたハルモニたちが共同生活をしている「ナヌムの家」を訪問。残念ながらハルモニにお会いすることはできませんでしたが、併設されている歴史館を見学し、「慰安婦」がどのように扱われたのか、彼女たちがどのような人生を生きなければならなかったのかを学びました。そして、いまだに責任をとろうとしない日本政府の無責任な姿勢、そして「慰安婦」の事実を否定しようとする「つくる会」などの言動が、いかに卑劣で、許し難い行為かということを痛感しました。
【在韓米軍基地の実態を見る―梅香里(メヒャンニ)、平澤(ピョンテク)―】
2日目に訪れた梅香里は、50年にわたって米軍射撃場として使用され、住民は騒音・誤爆にさらされ、平穏な生活を奪われてきました。月曜日から金曜日までの1日12時間の射撃訓練。誤爆や不発弾などによる直接的な被害だけでなく、自殺や住民同士のけんかなど精神的な被害も深刻でした。
1980年代の民主化運動とともに、米軍基地の問題でも声をあげられるようになってきました。そして昨年、地元住民と様々な団体の運動が実を結び、梅香里での陸上爆撃演習場が閉鎖、沖合の島の射撃場も8月には閉鎖されることになりました。さらに、韓国の最高裁である大法院は、「いくら国防安保のための超強大国の米国の訓練場も住民の生存権を脅かして、環境権を侵害したならば、当然賠償しなければならない」という判決を下しました。17年間住民闘争の先頭に立ち、投獄された経験を持つ、梅香里米空軍国際爆撃場撤廃住民対策委員会委員長チョン・マンギュさんは、梅香里の壮絶なたたかいを「一生忘れられない」と短く語り、「賠償金で返還された土地に平和公園を作る予定だ」と穏やかな笑顔で話してくれました。ここに平和公園ができることを想像し、運動が実ることの喜びを感じさせてもらいました。
しかし、喜んでばかりもいられません。米軍基地再編強化がすすむなか、ソウル市内の龍山基地は郊外の平澤に移転することが決まっています。先制攻撃の立場にたったアメリカは北朝鮮から攻撃を受けるかもしれない、今の38度線に近い基地では米軍に被害が出てしまう、そのため38度線からはなれた平澤に移転をという理由です。しかも、米軍が北朝鮮に爆撃できる距離でありかつ北朝鮮からは届かないところであり、空軍基地も港もあるうえ、中国にも対峙できる―北朝鮮と中国、同時に攻撃できる位置が平澤なのです。
この移転計画によると、現在の平澤の基地は2倍にもなります。平澤の住民は、50年間にわたって被害を受けてきましたが、「今までは、まだ被害が少なかった」と平澤の住民の反対運動の代表のイ・スヨンさんは言います。しかし、「今回は生活ができなくなる」と60歳から80歳のおじいさんおばあさんが100日以上、欠かさずローソクデモを続けているそうです。
まだまだ、根本的な解決への道は厳しいけれど、その都度、デモなどで意思表示をし、その積み重ねで自分たちの土地を取り戻し、権利をかちとったりしている韓国の運動。一歩一歩すすんでいる韓国を知って、背筋がシャンとする思いがしました。
【教育事情について―全教組との懇談・交流―】
2日目、韓国の教職員組合、全国教職員労働組合(全教組)を訪れ、役員の方々と意見交流をおこないました。懇談のなかで明らかになったのは、若者の失業問題や、経済のグローバル化の影響など、日本と韓国の社会状況がたいへん似ており、教職員組合としての課題も多く共通しているということです。
現在、韓国でも教育に新自由主義を持ち込もうとする動きがあり、「韓国の教育部(日本の文部科学省にあたる)が日本の文部科学省の政策を取り入れようと研究している」「教員評価制度や、国立大学の民営化などが検討されており、全教組はこれを阻止するためにたたかっている」と述べられました。また、日本と同様、多忙化が問題となっているようです。例えば小学校教員の授業持ち時間が1週間に30時間となっており、教育の質を向上させるために持ち時間を減らす運動をつよめているようです。学級定員については、運動の結果35人学級が実現し、近年、教職員の採用が増えているそうです。「全教組は引き続き25人学級実現を目指して運動をすすめている」と述べられました。
日本も韓国も、教職員をめぐる状況やさまざまな情勢が共通しており、ともにそれぞれの場でたたかいを強めていく必要性を痛感しました。全教組のみなさんも、日韓の教職員がともに力を合わせていくことの重要性を強調していました。
(全教青年部「全国青年教職員 韓国平和の旅」事務局)
アジアの連帯と交流を深める!
日帝侵略 独立と闘い 南北分断と現在の姿
![]() 韓国・グリーンコリアの皆さんと(2002年) |
「冬ソナ」ブームにわく日本。日本文化の開放が進む韓国。日韓関係は新たな友好の段階へと確実に進んでいます。しかし、教科書問題や靖国問題などに加え、「日の丸」・「君が代」強制も、韓国の人々の不信と不安を招いています。こんな時だからこそ、本物の友好関係を築く交流が必要です。一昨年の旅では、韓国の青年との交流を通じて平和への共同の力を実感できました。 今回は、韓国の教職員や、米軍基地撤去のために闘ってきた方々と交流します。もちろん、植民地支配の加害の歴史もしっかり学びます。いま、子どもたちに過去の侵略の事実を伝え、平和への展望をともに切り開いていくことが、私たち青年教職員に求められている役割なのではないでしょうか。 さあ、平和のために、ともに韓国で学びましょう! |
| 旅の概要 | ||
|---|---|---|
| 期 間 | 2004年12月26日(日)〜30日(木) 4泊5日 |
![]() 景福宮(旧王宮) |
| 費 用 | (40名以上)108,000円 (35名以上)113,000円 (30名以上)117,800円 |
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| 定 員 | 40名(最低実施人数30名) | |
| 締 切 | 11月24日(水)<定員になり次第締切> | |
| 企 画 | 全日本教職員組合青年部 | |
| 取 扱 | (株)富士国際旅行社 | |
| 全国青年教職員の旅「ならでは」の企画と内容! | ||
|---|---|---|
| 1 | 600年の歴史を誇る近代都市ソウルを訪問し、韓国独立の闘いにふれる | |
| 2 | 米空軍基地被害の現場・梅香里を訪れ、住民組織の代表と懇談・交流 | |
| 3 | 現地の教職員の仲間と相互に抱える問題等について有意義な交流と懇談 | |
| 4 | 終日「平和の課題」を目的として3コースを選べる 希望選択制コースを実施 @板門店コース・・南北境界線・38度線非武装地帯の見学 A独立記念館+ナヌムの家コース・・・日帝侵略館・歴史館と元「慰安婦」のハルモニたちが共同生活する家・資料館 B米軍基地見学コース・・・移転が決まったソウル市内にあり、汚染問題などを平和活動家による案内で |
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| 5 | 韓国の文化を楽しむ『ナンタ(乱打)』鑑賞やドラマ『冬のソナタ』の舞台へも | |