【春闘特集2 春闘の焦点=憲法】



 1、憲法「改正」への動き

 今年の春闘の最大の課題は、憲法問題です。

 すでに、マスコミを中心に、「時代の変化の中で、憲法は時代遅れになっている」とか、「現行の自衛隊の存在は憲法では説明できない」などの報道がなされ、憲法「改正」に賛成する国民も多くなってきています。
 
 政治でも、国会に設置されている憲法調査会が、今年、報告をまとめる予定です。また、政党でも自民党は結党50年を迎える今秋に、憲法「改正」案をまとめようとしています。民主党もそれに負けず、来年、早ければ、今年中に、独自の憲法「改正」案をまとめようとしてます。公明党も、「加憲」という立場で、憲法「改正」の方向に向かっています。こういう中、与党は、民主党も巻き込んで、今年の1月から始まった通常国会で、憲法「改正」のための手続き法案である、国民投票法案を上程し、成立させようとしています。

 また一部報道では、07年には、参議院議員選挙や、同時に衆議院議員解散による総選挙をおこない、その際、憲法改正のために国民投票を行おうとしているとも言われています。

 このように、憲法「改正」は、もう予断を許さない状況にあるのが事実です。


2、憲法「改正」をめぐって
 
 今、憲法に「プライバシー権」や「環境権」を入れることが大事だ、「国際貢献」を入れることが大事だと言われています。

 しかし、「環境権」や「プライバシー権」は、憲法やそれに基づく判例の中で、十分に認められています。

 むしろ、「環境権」を言うのなら、後を絶たない産業廃棄物不法投棄をやめさせるために、企業をもっと取り締まるべきでないでしょうか?  また、高速道路や巨大空港のように、過大な需要予測をもとにした自然破壊の大規模公共事業を控えるべきでないでしょうか? 各種環境裁判や公害裁判でも、国や企業は訴訟をたたかわず責任を認めて、和解すべきでないでしょうか? プライバシーを強調するなら、個人情報保護法や住基ネットは、プライバシーの保護になっているのでしょうか?

 自衛隊の問題でも、今の自衛隊のイラク派兵の様子を見ると、「自衛隊の行っている地域が非戦闘地域だ」など、小泉首相の国会での無責任な回答。このような無責任な対応で、実際にイラクに行っている自衛隊員が報われるでしょうか。また、イラクでは「平和憲法を持っている日本は信頼できる」など、9条があることにより、日本への親近感を持つ人が多く、NGOの活動にも好影響を与えてきました。今求められているのは、自衛隊を送ることではなく、憲法の平和理念を世界に広めることではないでしょうか?

 このような現状を見ると、憲法を「改正」しても、今起こっている諸問題の解決とは無関係でないでしょうか?


3、憲法9条とは

 憲法9条で定められた、「戦争の放棄」、「戦力の不保持」は、人類の宝です。これまで、第2次世界大戦での4000万とも言われる死者など、人類はこれまで多くの戦争で尊い人命をなくしてきました。その悲劇をなくそうと言う人類の叡智の結晶が、1928年のパリ不戦条約や、1945年の国連憲章であり、そして、日本国憲法9条なのです。

 1947年、文部省が作った本で、『あたらしい憲法のはなし』という本があります。そこには、9条について、次のように書かれています。


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 そこでこんどの憲法では、日本の国が、けっして二度と戦争をしないように、二つのことをきめました。その一つは、兵隊も軍隊も飛行 機も、およそ戦争をするためのものは、いっさいもたないということです。これを戦力の放棄といいます。「放棄」とは、「すててしまう」ということです。しかしみなさんは、けっして心ぼそく思うことはありません。日本は正しいことを、ほかの国よりさきに行ったのです。世の中に、正しいことぐらい強いものはありません。

 もう一つは、よその国と争いごとがおこったとき、けっして戦争によって、相手をまかして、じぶんのいいぶんをとおそうとしないということをきめたのです。おだやかにそうだんをして、きまりをつけようというのです。なぜならば、いくさをしかけることは、けっきょく、じぶんの国をほろぼすはめになるからです。また、戦争とまでゆかずとも、国の力で、相手をおどすようなことは、いっさいしないことにきめたのです。これを戦争の放棄というのです。そうしてよその国となかよくして、世界中の国が、よい友だちになってくれるようにすれば、日本の国は、さかえてゆけるのです。

 みなさん、あのおそろしい戦争が、二度と起こらないように、また戦争を二度とおこさないようにいたしましょう。

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 この言葉に、憲法9条のすばらしさが語られています。

 
4、憲法を「改正」させないために

 今、国会では、護憲勢力は、共産党と社民党だけで少数になっていますが、その国会での力関係を跳ね返すように、日本各地で憲法、とりわけ9条を守ろうと幅広い運動が展開されいてます。

 憲法9条を守ろうと、大江健三郎や梅原猛など著名人9人が「九条の会」をたちあげました。この「九条の会」は、今まで、大阪、京都、宮城、北海道、沖縄で講演会を行っていますが、どこでも会場いっぱいに聴衆が集まり、憲法9条の真価を学び、確信にしています。また、これに呼応して、全国各地、地域の「九条の会」が作られています。全教も、憲法とそれの一体の教育基本法を「改正」させないよう、宣伝、学習、集会、自治体への働きかけなど、多彩な運動を展開しています。